気づけば君が近くにいてくれた






生徒会長、体育祭委員会会長、校長先生……それぞれから挨拶があり、青空に花火の煙が上がって始まった体育祭。


さっきまで不安と緊張でいっぱいだったのに、楽しみな気持ちでいっぱいの自分がいる。


クラスメイトがたくさん話しかけてきてくれて、困った時は香純ちゃんや藤波くんが助けてくれる。


私が参加するのは大縄跳びと綱引きとリレーのみ。


いくつかある競技のうちから選択制になっているらしく、香純ちゃんが飛び入り参加の私でも参加しやすい競技を選んでくれたらしい。



自分の出番では無い時は、近くまで行って応援する。



「2組頑張れーっ!」


「頑張れー!」



香純ちゃんに続いて声を出す。


小さな私の声は届いていないかもしれないけれど、ムカデ競走では見事1位でゴールした。



「やったね、実桜ちゃん!」


「うん!」



自分が出ていなくても、自分のクラスが勝てばやっぱり嬉しい。


香純ちゃんと一緒に飛び跳ねて喜んだ。


全学年対抗の綱引きでは、これこそ私の力なんてほんの小さなものだろうけど、2年生のクラスに勝てた時は本当に嬉しかった。


まだ名前もわからないクラスメイトと男の子と思わずハイタッチまでしてしまったくらい。