気づけば君が近くにいてくれた






久しぶりに足を踏み入れた校内。


中はあまり人が居なく静まっている。


その代わりに、窓の外に広がるグラウンドにはたくさんの人が集まっていてとても賑やかだ。



「実桜ちゃんの席はここだよー」



教室には、私たち以外誰もいない。


それがちょっと心に余裕ができた。


香純ちゃんに案内された場所は、教室の1番後ろの席。



「ちなみに私はここ!」


「えっ、隣?」


「うん!いつでも実桜ちゃんが来れるように隣の席確保しておいたんだっ」



つい数週間前に席替えを行ったばかりだそうで、本当はバラバラの席だったらしいんだけれど、交渉して交換してもらったらしい。



「僕はここだから安心でしょ?」



そして、藤波くんは私の前の席で2人に見事に囲まれていた。


なんだな守られているみたいで安心する。


いろいろと私のために考えてくれていたことが嬉しくて、感極まってしまった。