気づけば君が近くにいてくれた




学校というところに足を踏み入れたのは久しぶり。


ざわざわとしていて、活気があって、どこかこの雰囲気に懐かしさを感じるけれど、小学校や中学校とはまた違う。


少しだけ大人になったような空間。



「新入生の皆さん、おはようございます!まずこちらのボードで自分のクラスを確認してから教室へ向かってください!」


「1年生の教室はこちらです!」



騒がしい中に、そんな声が聞こえる。


声の主を見てみれば、スーツを着た大人ではなく同じ制服を着た高校生。


多分、生徒会とかだろうか。


たまたま空いた隙間を見つけて、とりあえずボードを確認する。


さすがにずっと立ち尽くしている訳にはいかないし、その方が逆に目立ってしまう。


私は2組らしい。


クラスを確認してすぐにその輪から抜けた。


なるべく教室にいる時間を少なくしたいからと、集合時間ギリギリに来たはずだけれど思っていたより人が多い。


それが人混みの中に紛れ込めて良かったかもしれない。


時間的には本当に計画通りで、教室について自分の席を確認し、机の上に置かれていたプリントにサラリと目を通したくらいで担任であろう先生に呼ばれ、体育館へと移動になった。