1度はなんとか逃げられたのだけれど、2度目はさすがに体力が持たない。
呼吸も浅くなり、息苦しい。
そして何よりも足が痛くて上手く走ることができない。
「片寄さん、タッチ」
「……うっ」
捕まってしまった。
残りの時間はあと2分くらい。
このまま鬼でいると、みんなにアイスを買ってあげなければいけない。
昭子おばあちゃんからもらっているお年玉もまだ残っているし、引きこもりの私にはあまり使うことがなかったから、お金がないって問題はないんだけれど……
負けるのはなんか悔しい。
10数えてから2人を追いかける。
残り1分。
あぁ、もうダメかもしれない。
全然追いつかなくて捕まえられない。
そう諦めかけた時、香純ちゃんが私にこっそり近づいてきた。
「ねぇ実桜ちゃんっ、ちょっと作戦があるんだけど───」



