「ここだよ」
家を出てから多分10分くらい歩いてきたところ。
昭子おばあちゃんの家に住まわせてもらうようになってから、家の周りを歩いたことはほとんどなかったから、こんなところに公園があったなんて知らなかった。
辛うじて残っている滑り台とブランコは、かなり錆び付いていて撤去の準備をしているのか、立ち入り禁止のテープが貼られていた。
人気のない古びた公園。
その理由もわかる気がする。
使えるのかわからない公衆トイレの隣に、また古びたベンチが残っていて、香純ちゃんはそこに持っていたカバンを置いた。
そして、軽く足や腕を伸ばして、準備運動を始める。
「ほら、実桜ちゃんも体動かしてー!」
「う、うん?」
訳がわからぬまま香純ちゃんのマネをして、足をお相撲さんのように開いて片方ずつ肩を内側に入れる。
ずっと家に引きこもっていたせいか、体中ゴリゴリに凝り固まっているのが身に染みて感じた。
そんな体も少し動かしただけで、徐々に温まってくる。
困惑する私と楽しげな香純ちゃんを見て笑いながら、藤波くんも同じく体を動かしてほぐしていた。



