気づけば君が近くにいてくれた




えっと、着替えてきてってそのままの意味だよね?



訳がわからないまま、香純ちゃんに渡された物を持って、一度自分の部屋へと戻る。


香純ちゃんから受け取った巾着の口を開けてみると、中には2人が着ていたものと同じ深緑色のジャージが入っていた。


胸元にはしっかりと私の名前、“片寄”という文字が刺繍されている。


これは、紛れもない私のものだ。


言われた通りジャージに着替えて、マスクをしてから再び玄関のドアを開けた。



「おま、たせ……」



困惑したまま外へ出ると、「行くよ」と香純ちゃんに手を引かれ連れ出されてしまった。



「えっと、どこへ?」


「近くの公園だよ。人気がないのかあまり人のいないところ見つけたんだ」



そう答えたのは、私たちの数歩前を歩く藤波くん。



人があまりいない公園?


なんで公園なんかに……



「小学生もあまりいない方が実桜ちゃん落ち着くかなって」


「うん、まぁ……」



……そうだけれど。


私のことを考慮して探してくれたのはとてもありがたいけれど、やっぱり香純ちゃんと藤波くんが何を考えているのかわからなかった。