気づけば君が近くにいてくれた





次の日の夕方。


今日は朝から早く目が覚めてしまって、ずっとソワソワしていた。


落ち着いていられなくて、意味もなく部屋の中を歩き回ってしまう。


授業が終わるまであと1時間。


あと30分。


あと───


カウントダウンする度に、胸の鼓動が早くなった。



「あっ……」



部屋の窓から香純ちゃんと藤波くんの姿を確認する。


2人が来てくれた。


過去を話すことが不安で仕方がなかったはずなのに、約束通り家に来てくれたことが嬉しくてホッとした。



「ようこそ。今日も来てくれてありがとね」


「いえ!お邪魔します!」


「お邪魔します」



部屋にいても明るい香純ちゃんの声と、冷静な藤波くんの声がはっきりと聞こえた。


今日は2人が来たら家にいれてもらうよう昭子おばあちゃんにもお願いしている。


本当は部屋を飛び出して出迎えたい気持ちもあったけれど、その勇気は出なかった。


2人の階段を上る足音が聞こえる。