気づけば君が近くにいてくれた




両親を亡くしてからずっと、可哀想だと腫れ物を触るような視線を送られ続けてきた。


左頬の火傷跡を痛々しそうに見て、同情しようとしてくるのが嫌だった。


周りからの視線を閉ざしたい。


そう思った私は、前髪を伸ばし続けた。


左頬の火傷跡を見れたくない。


そう思った私は、髪の毛を重くして頬をなるべく隠し、それでも頼りなくて、毎日マスクを付けるようになった。


そんな生活をするようになった中学生の私。


私の事情を知る小学校から一緒の同級生もいれば、何も知らない他校から来た同級生もいる。


元々知っている人は私の変わりように驚き、初めましての人は私を近づきにくい人と判断した。



「実桜、変わったよね」


「なんか暗くなった」


「話しかけにくくなった」


「話しててもつまんない」



次第に笑顔も全くなくなって、私の周りから友達は消え、ひとりぼっちになっていた。


私の生活の中で、唯一変わらずにあった学校生活。


それさえも変わってしまって、学校というところが居心地の悪い場所になった。


そして私は学校を休む日がだんだんと増え、最終的に2年生になる前には不登校になっていた。