気づけば君が近くにいてくれた




迷った末に、私は少しだけマスクをずらしながら食べることにした。


左側はそのままで、火傷跡のない右側を少しだけ開いてそこからスプーンにすくったオムライスを口に運ぶ。



「……ん!」



美味しい。


見た目だけじゃなくて、ちゃんと味もすごく美味しい。


本当に美味しいオムライスだから楽しんで食べたいけれど、やっぱり周りが気になってしまう。


まわりにどう思われているんだろうか。



変な人?

常識はずれ?

香純ちゃんと藤波くんは?



「すごく美味しいね!」



香純ちゃんは、そう言って笑っていた。


私がマスクをしたままであることに何も触れてこない。


香純ちゃんだけじゃなくて、藤波くんも。


いつも通りだ。


そのことにこのままでも大丈夫なんだと、少しほっとする。


その気の緩みがいけなかったのかもしれない。