遊星は萌より五歳年上で、身長は百八十センチ後半。俳優のように華やかで整った顔立ちをしており、ハーバード大学を首席で卒業。会社を経営している社長である。

「見て遊星!遊星のこと、イケメンだって〜。イケメンに愛されてるって幸せだわ」

萌が未だにメッセージが送られてくるインスタを見せると、遊星は少し寂しそうな顔をして「早く食べなよ、冷めるから」と食事を促す。萌は一つ返事をして、サンドイッチを口に運びながら、インスタを見た。

遊星のおかげで、萌はすっかりインスタの中で注目される存在になっていて、毎日投稿するたびにメッセージを送ってもらい、心が躍る。

人は愛に群がり、それを欲する生き物だ。愛される人を羨み、その愛してくれる人が童話の王子様のような人であれば、その羨望はさらに大きくなる。

「……造花がやっぱり一番綺麗なのよ」


雨が降っている。でもあの人に呼ばれたから、お気に入りの傘をさして指定された公園に行く。

この公園は、あの人と初めて出会った場所。あの人の落とし物を拾ったことがきっかけで、私たちは付き合うようになったの。