【短】そろそろ好きって言えよ。





「好きだよ、菜月。
昔から、お前が思ってるよりもずっと。
一人の男として、菜月が好き」

「仁……」



熱を帯びて掠れた声が、耳元から直接流れ込んでくる。

その声色だけで、仁が本気で私をただの幼馴染みではなく――恋愛対象として見ているのだと完全に理解した。


真っ直ぐな告白に、頭で何かを考えるよりも先に心臓がどくりと早くなる。


今まで信頼出来る男友達だと思ってた相手に、異性として告白された。


それなのに、不思議とぜんぜん嫌じゃない。


キスだって、最初は驚きと戸惑いはあったけど行為自体に対しての拒否感はなかった。


好きと何度も耳元で囁かれて、胸の高鳴りと共に甘い痺れのような、不思議な心地が身体の内側に広がっていく。


「いつかはちゃんと伝えようと思ってたけど……お前の話を聞いて気が変わった」