「あ、いいえ! 全く問題ないですっ!」
私は両手を前に突き出して、ブンブンと振る。
「意識を失った川高さんが、運ばれてきたのを見て私も最初、びっくりしたわ~」
“運ばれてきた”というワードに私は引っかかった。
「あの~、先生」
「なあに?」
「私、誰に運ばれたんですか?」
「ふふっ、知りたい?」
先生は口元に手をあてて、笑う。
「名前は聞きそびれちゃったけど、あなたの彼氏だって言ってたわ。すごく、
イケメンな子で、しかも川高さんを見て、あたふたしていたわよ~」
あたふたしてた………? あの音怜くんが………?
いつも、気だるそうなイメージがあるから、全然想像できないっ………。
「あ、そうだわ。私これから、職員室に行かなきゃいけないの」
「えっ、そうなんですか?」
「でも、30分くらいかしら。その間、川高さんはゆっくり休んででね」
「あ、はい! ありがとうございます」
───ガラガラ、ピシャッ。
先生がでて行ったあと、私は再びベットに仰向けになる。
一人は不思議な感じだなぁ、と思っていると──。

