さすが、元生徒会長。



真面目で優等生タイプの王子様は、

生徒だけじゃなく

先生にまで、頼りにされているんですよね。




この前、同級生の男子2人が

殴り合いのケンカをしていた時も



「殴るのはやめようね。

 お互い、言いたいことがあるんでしょ? 

 一人ずつ僕が聞くから、話してみて」


って、


とろける様なほんわか笑顔を浮かべながら、

仲裁していらしたっけ。





「聞きたい?」



「えっ?」



「僕のピアノ。
 歌は……あまり自信が無いけど」




インパクトのある大粒の瞳が、ゆるっと揺れ

アメリ様は、恥ずかしそうに微笑んだ。




恥ずかしさは、伝染してしまうらしい。




「聞き……たい……です……」



めいっぱい勇気をふりしぼった私の本音も、

途切れ途切れの震え声。