けれど、合わせる顔なんて今の私には持ち合わせていない。知っていたのに、私は抑え切れなかったから。
問いかける言葉の奥に、淡く色付けるように濁された心配を。
それを拒み、さらには怪我まで負わせてしまった。彼は確かに、「大丈夫だから」と言ったけれど、それでもどの面下げて行けばいいのかが解らない。
倖にもきっと軽蔑をされてしまうだろう。
悲しいわけではない。ただ、私を知らないがためにこうなってしまったことすら知らない人達に、罪悪感ばかりが込み上げてとうに枯れたと思う涙が頬を濡らす。
あいつらのように、私を私として受け入れてくれるかもしれない。そんな高望みをした罰かもしれない。小さくはあったけれど、心のどこかで少なからず思っていたことへの代償がこれだ。
「いいのか、このままで」
良いわけがない。
あの人の心配を踏み躙ってしまったことには罪悪感も感じているし、謝りたいとすら思うのだから。動かない足が震えて、どうして私が被害者ぶるのか可笑しくて仕方ない。
「お前が何を思ってああしたのかは知らねぇが、それは人としてはどうなんだ。筋が通らねぇぞ」
受け入りだがな、と彼は穏やかに肩を下ろす。
私が散々周りに言ってきたのに、総長である私がそれをできていない。こんなんじゃ笑われてしまう。
小さな声で行く意思を表明すれば、彼は落ちた涙に微笑む。一つしか歳は離れていないというのに、どこか子供扱いされているような気がして不服だけれども、敢えてそれは口にしなかった。
問いかける言葉の奥に、淡く色付けるように濁された心配を。
それを拒み、さらには怪我まで負わせてしまった。彼は確かに、「大丈夫だから」と言ったけれど、それでもどの面下げて行けばいいのかが解らない。
倖にもきっと軽蔑をされてしまうだろう。
悲しいわけではない。ただ、私を知らないがためにこうなってしまったことすら知らない人達に、罪悪感ばかりが込み上げてとうに枯れたと思う涙が頬を濡らす。
あいつらのように、私を私として受け入れてくれるかもしれない。そんな高望みをした罰かもしれない。小さくはあったけれど、心のどこかで少なからず思っていたことへの代償がこれだ。
「いいのか、このままで」
良いわけがない。
あの人の心配を踏み躙ってしまったことには罪悪感も感じているし、謝りたいとすら思うのだから。動かない足が震えて、どうして私が被害者ぶるのか可笑しくて仕方ない。
「お前が何を思ってああしたのかは知らねぇが、それは人としてはどうなんだ。筋が通らねぇぞ」
受け入りだがな、と彼は穏やかに肩を下ろす。
私が散々周りに言ってきたのに、総長である私がそれをできていない。こんなんじゃ笑われてしまう。
小さな声で行く意思を表明すれば、彼は落ちた涙に微笑む。一つしか歳は離れていないというのに、どこか子供扱いされているような気がして不服だけれども、敢えてそれは口にしなかった。
