先生について行く。

「ここが教室だ。呼んだらこい。」
「はい。」

それから約十分。

「編入生、こい。」

は、はい。
心で返事をする。

がらがらがら。
たったったったっ。
教室に私の足音が響く。

先生の隣に行く。
「こいつだ。ん。自己紹介やれ。
あ、チョークで黒板に名前かけ。」
「は、はい、」
つっ、つー…
藤咲 雪

かけた。
みんなからの視線が痛い。
「え?雪?確か玲香に雪ってやついたよな?」
「いやいや、あんな瓶底メガネしてないよ。
 雪は。」
「いや、雪はあんなブスじゃないよ。」
ですよね。
私、ブスですよね。
それは自分でもよーくわかってます。

「藤咲、自己紹介しろ。」
「は、はい。
 わ、私の名前は、ふ、藤咲 雪です。
 れい… あ、あのなんでもありません。
 す、好きな動物は、犬で、み、耳がたろーんと
 している所がと、特に好きです。
 よ、よろしくおねがいし、します…‼︎」

そうして頭を下げる。
「藤咲の席は、関岡 依澄(せきおか いずみ)
 の隣だ。
 関岡、手挙げろ。」
「はーい」

あの人が関岡君か、
私は彼の隣の席に座る。