テレビの天気予報で各局が
梅雨明けを発表した頃、
私は神崎さんの車で完成した絵画を乗せ
建設中のリゾートホテルへと向かっていた。


メグのドレスの衣装合わせも兼ねていたので
私ははやる胸を抑えながら
窓の外の流れる景色を眺めた



「早く完成した絵を見てみたいよ...」


神崎さんは運転しながら、目線だけチラッと
車の後方へ向けた。


車のトランクには
完成した絵が傷がつかないようにしっかりと
段ボールで梱包して乗せている。


瑠花さんが絵画の梱包を手伝ったので
神崎さんはまだ完成した絵を見ていない。


「フフッ...着いてからのお楽しみです...
でも、思ったより早く完成してしまったので
明日からどうしましょう...」


私は助手席で顎に手を添えて考えた。


「会社のあの部屋で好きな絵を描けばいいよ。どうせ、物置きでしか使用してなかったんだし。」


「ありがとうございます。
でも、たまにはアトリエの様子を見に
行こうかな...
掃除もしておきたいですし...」


私は横目でチラリと神崎さんの表情をうかがう。


すると、「ダメだ!!」
神崎さんはそう言い放つと
ムスッと不機嫌に口をつぐんだ。


「少し見に帰るだけですよ...?」


私も負けじと食い下がる。