「お、おはようございます...」
「よく眠れた?」
「は、はい...あの...服は...?」
「あぁ...ごめん...
寝にくいかと思って脱がせたよ」
「い、いえ...神崎さん...あの昨日って...?」
「覚えてない?」
「すみません...
どうやって帰ったのかもまったく...」
「そうか...」
翼はそう言って、
はぁっと大きく溜め息をつくと
後ろからグッと抱き寄せ、
かよ子の首の後ろに顔をうずめた。
パジャマを身に付けていないせいか
翼の肌をじかに感じてなんだかくすぐったい...
ふいに翼の吐息が首筋にかかり、
かよ子は思わずビクッと体を震わせた。
「ん...」
自分から出た声に恥ずかしくなり、
かよ子はパッと手で口を覆った。
すると翼がいきなりガバッと体を起こし
かよ子の顔の横に両手をついて
上から覆い被さってきた。
かよ子はビックリして
手を口に覆ったまま、
黒目がちな目をパチクリさせている。
「かよ子さん...」
翼はかよ子の瞳を見つめたまま、
口を覆っている手をほどくと
かよ子の顔の横に優しく縫い付けた。