セシルは俺の返事をじっと待っていると、摘んでいた裾を放し、不貞腐れたように頬を膨らませた。
その姿に思わずぎょっとする。
「お兄様! 今日は頑張って自分でお化粧して服も選んだんですよ! それだと言うのに、その反応はあんまりなんじゃないですか!?」
「いや、その、だな……」
やばい……全く話の先が見えない。
どうして俺は妹に怒られないといけないんだ!? もういっそここは素直に尋ねるべきだろうか?
「せ、セシル。な、何でそんなに怒ってるのか、お兄様ちょっと理由が分からないっていうか、全然話が見えないって言うか」
「え……」
するとセシルはびっくりして目を丸くした。
や、やっぱり尋ねたのはまずかったか?
やっぱり敢えてセシルの話に乗って『うんうん、今日も一段と可愛いぞ! さすが俺の妹だな』って言うべきだったか?
「お兄様……もしかしてどこか頭でも打ったのですか?」
「……………………………………はぁ?!」
『どこかで頭でも打ったんですか?』って、どうして逆にそんな事を聞かれなければならない!?
俺は至って正常だし、どこもおかしなんかない!
「だってお兄様、いつもなら口煩く言うじゃないですか。お化粧とか服装とか、私に似合うように選んでくれるのに」
「え?! そうなの!?」
この世界の俺って、妹に対してそんなうざい事やってるのか?!
いや、待て。この世界はクリエイトが作り出した世界だ。
だからこの世界のセシルにとっての俺は、きっと妹に口煩くうざい兄なのかもしれない。
それはそれで悲しいけど……。
「そ、そう、だったか〜? でもセシルが自分で選んだなら、俺は良いと思うけどな〜」
「そうですか? 珍しいですね、お兄様が褒めてくれるだなんて」
「そ、そりゃ〜……」
自分の可愛い妹を褒めない兄なんて居ないだろ! セシルは十分可愛い俺の自慢の妹だ。
優しいし、友達や家族思いだし、家の家事だってやってくれるし、勉強だって出来るし、駄目なところなんてないんじゃないのか?
「変なお兄様。ほら、お兄様も早く朝食取りましょう」
「あ、あぁ」
セシルは俺よりも先に部屋に入ると、父さんと母さんに挨拶をした。
二人は扉の前に立っている俺の姿を見つけると、優しい眼差しをこちらへと向けてくれた。
「おはよう、ブラッド。今朝食が出来たところだから、早く食べちゃってね」
「ブラッド、そんなところに突っ立ってないで、こっちに来なさい」
「あ…………うん」
俺は二人に促されるまま、朝食の席に着いた。
朝食のメニューは俺が大好きなスクランブルエッグに、野菜が入ったポタージュ、そして焼きたてのトーストだった。
その姿に思わずぎょっとする。
「お兄様! 今日は頑張って自分でお化粧して服も選んだんですよ! それだと言うのに、その反応はあんまりなんじゃないですか!?」
「いや、その、だな……」
やばい……全く話の先が見えない。
どうして俺は妹に怒られないといけないんだ!? もういっそここは素直に尋ねるべきだろうか?
「せ、セシル。な、何でそんなに怒ってるのか、お兄様ちょっと理由が分からないっていうか、全然話が見えないって言うか」
「え……」
するとセシルはびっくりして目を丸くした。
や、やっぱり尋ねたのはまずかったか?
やっぱり敢えてセシルの話に乗って『うんうん、今日も一段と可愛いぞ! さすが俺の妹だな』って言うべきだったか?
「お兄様……もしかしてどこか頭でも打ったのですか?」
「……………………………………はぁ?!」
『どこかで頭でも打ったんですか?』って、どうして逆にそんな事を聞かれなければならない!?
俺は至って正常だし、どこもおかしなんかない!
「だってお兄様、いつもなら口煩く言うじゃないですか。お化粧とか服装とか、私に似合うように選んでくれるのに」
「え?! そうなの!?」
この世界の俺って、妹に対してそんなうざい事やってるのか?!
いや、待て。この世界はクリエイトが作り出した世界だ。
だからこの世界のセシルにとっての俺は、きっと妹に口煩くうざい兄なのかもしれない。
それはそれで悲しいけど……。
「そ、そう、だったか〜? でもセシルが自分で選んだなら、俺は良いと思うけどな〜」
「そうですか? 珍しいですね、お兄様が褒めてくれるだなんて」
「そ、そりゃ〜……」
自分の可愛い妹を褒めない兄なんて居ないだろ! セシルは十分可愛い俺の自慢の妹だ。
優しいし、友達や家族思いだし、家の家事だってやってくれるし、勉強だって出来るし、駄目なところなんてないんじゃないのか?
「変なお兄様。ほら、お兄様も早く朝食取りましょう」
「あ、あぁ」
セシルは俺よりも先に部屋に入ると、父さんと母さんに挨拶をした。
二人は扉の前に立っている俺の姿を見つけると、優しい眼差しをこちらへと向けてくれた。
「おはよう、ブラッド。今朝食が出来たところだから、早く食べちゃってね」
「ブラッド、そんなところに突っ立ってないで、こっちに来なさい」
「あ…………うん」
俺は二人に促されるまま、朝食の席に着いた。
朝食のメニューは俺が大好きなスクランブルエッグに、野菜が入ったポタージュ、そして焼きたてのトーストだった。