ヴェルト・マギーア 星の涙FinalAct

「わ、分かりました……。しかし聖女様、あなたお一人で行かせるわけにはいきません。護衛として聖騎士団と騎士を数名、そしてプラチナを付けます。これについて異論は認めません」

「はい、大丈夫です。そのようにお願いします」
 
私はニコニコと笑みを浮かべながら、彼に小さく頷いて見せる。

そんな私の姿に腹が立ったのか、レオナルドは私にも聞こえるように舌打ちをすると右手をかざした。
 
すると私の首に付いていたチョーカーが一瞬だけ光輝くと、再び私の声を封じました。

「話は以上だ。出立する時には、もう一度話せるようにしてやる。しかし勝手に話す事は許さないぞ。お前がいつどこで話すのか、分かっているんだろうな?」

「……っ」
 
チョーカーを指先でそっと触れた私は、小さく頷いた。

「…………とっとと出て行け」
 
私は最後にお辞儀をして見せ、言われた通り部屋を出て行きました。


★★ ★


「あの女……一体どういうつもりだ?」
 
さっきレーツェルから渡された紙を、私は怒りをぶつけるように破り捨てた。そして次に軽く指を鳴らし、とある男を呼びつける。

「何の用だ〜? レオナルド。俺様を呼びつけるってこたぁ、緊急な案件か?」
 
暗闇の中で紫色の瞳が不気味に輝き、嫌らしく細められる。

纏った黒いローブは、窓から差し込む光に照らされ彼の姿を半分照らす。そんな彼を見ながら、私は苛ついた表情を浮かべる。

「レーツェルを見張れ。もし変な行動を見せたらここに連れて返って来い」

「レーツェル? あぁ……あの聖女の事か。見張れって事は、外に出す事を許したのかよ? お前にしては珍しいな」

「ふん……」
 
別に好きで外に出してやるわけじゃない。

今回は神からのお告げと言う事で、仕方なく外に出してやるだけだ。

彼女の言う事は、まさに神からのお告げだからな。そうでなかったら、一体誰があの女を外に出すか。