「じゃあ、また今度ね」
「ほら!また女口調になってる!!」
(おっと、そうだった…)
無事に家まで送れた亜美さんと私。…いや、俺。
こっそりと教えられて慌てて訂正する。
「じゃあ、また今度な」
ポンッと亜美さんの頭を撫でるというアドリブもつけてみたが…
(特に反応は無し…か)
遠く離れた電柱にまだ潜むストーカー。
触れても特に反応はしないし、帽子を深くかぶっているせいか、顔も全く分からない。
(彼氏がいたとしても諦める様子は無し…と)
「ねぇ、聞いてる!?」
「ん?あ、なにかし…じゃなくて、なんだ?」
後ろのストーカーに気を取られていたせいか、
亜美さんに怒鳴られて急いで目線を戻した。
「明日、学校まで迎えに来てねっ」
「っ…と、」
いきなり抱きついてきたかと思えば亜美さんはパチリとウインク。
「…ああ、いつもの所で待ってる」
「やったぁユーヤ大好きっ。ありがと!」
笑顔の亜美さんは1度振り向いて手を振ると、そのまま家の中へと入って行った。
……それと同時に、ストーカーの気配も無くなる。
(学校まで迎えに来てねって…)
まず学校どこなのよ…
なんて思っていたが、
「………?」
ポケットから携帯を取り出そうとしたとき、そのポケットから1枚の紙が出てきた。
「……へぇ。あの子も上手いねぇ」
その紙には高校名と、その高校の場所が記されていて、
たぶん、あの抱きついてきたときにこっそりと忍ばしたのだろう。



