「コラーーー!!!まて蒼空ぁーーー!!!」



(元気だな……)



結構ヘトヘトな私とは違って、心音さんは凄いスピードで蒼空さんの後を追いかけていた。


もー蒼空さんの姿は見えなかったけど。




「………………」




静まり返るこの場。




(さぁ、帰ろう……)




寒空の下、1人でトボトボと家に向かって歩く。



ふと、立ち止まって空を見上げれば、


月がとても綺麗に輝いていて




(一緒に帰っていれば、あの月綺麗だねって言い合えていたのかな)




なんて、また蒼空さんの事ばかり。



断らなければよかった。




なんて想う気持ちを必死にかき消しながら、疲れた身体を前へと進めた。