「っ…………!!」




そっと目を開ければ、キョトンと俺を見つめる神崎サン。




(や、やっちまった!!!)




気づいたときにはもう遅い。


呆然と立ち尽くす神崎サン。




(何か言わねーと…!!あ、そうだ告白!!好きだって言え!俺!)




脳内はパニック状態。




だけどやっぱりヘタレな俺は




「………チッ」




何も言えず、そんな自分に苛立って舌打ち。




クルリと勝手に身体が方向転換すると、スタスタと歩きだしてしまった。




(バカ!俺のバカ!!)




多分そんな俺を神崎サンは意味不明に思っているだろう。


だって勝手にキスされて、何事もなかったかのように放置。




(最低過ぎるだろ…)




初めて人を襲ってしまった。


その事に関しては凄く後悔している俺。



でも……




(気づいてくれねーかな…)




好意があるって。


神崎サンが好きだって。




今度こそ、ちゃんと伝えよう




(まずは弁当誘ってみるか)




そーやって俺の積極的な行動が始まったんだ。




(それにしても唇柔らかかった…)