翔side





朝、俺が起きたときにはもう藍はいなくて。




藍のカバンがなくなっていることから、それは藍が帰ったことをしめす。




枕元にあった青色の手袋を見て、




ああ、そういや誕生日だったな。なんて今さら気づく俺。




熱は下がったみたいで、全くだるくない。





「……………」





寝起きだからか、




まだ視界がぼやけているなかで、近くの時計を見る。




7:48




時計の針がそうしめしていた。





「やべっ」





急いで準備をした俺は、ダッシュで学校へと向かう。




しっかりと、あの手袋を持って。





「よっ!」





学校に向かっている途中、右肩付近に軽い衝撃を受けた。





「いって」





その衝撃に、ヨロリと身体がよろめく。




睨むように目を細めてそいつを見れば、




「おーこわっ」なんて、ちょっとふざけて言う蓮がいた。