消えた未来

 星那も不安そうにしていたけど、一番に私に声をかけてくれた。それが嬉しかった。

 このクラスに星那以外の友人がいないから、私の心配をしてくれる人がいなくて、寂しさを感じていたところだった。

「大丈夫だった?」
「私は見てただけだから」

 そう、見てただけだ。きっと、彼は私のことなんて見ていなかった。本当にただの傍観者だった。

 私の返事を聞いて、星那は小さく息を吐いた。

「あんなに怖い人だなんて思わなかった」

 正直、私も思った。雰囲気に圧倒されてしまっていたし。

「私、生きてられるかな……」

 私の何度目かわからない弱音に、星那は答えなかった。

 それからSHRをして、私はすぐに学校を出た。

 先生が予定通りの時間に終わってくれたから、普通のペースで歩いて帰る。

 一年も通えば、帰り道なんてつまらないものだ。ほとんど代わり映えしない。

 これが寄り道でもできれば、少しは違ったのかもしれないなんて思いながら、真っ直ぐ歩いていく。

 そのとき、一人の女子小学生が私の横を走っていった。

「ほら早く!」
「待ってよ」

 後ろから別の女の子の声がした。その子も走っていて、前で呼んでいる女の子を追いかける。

 そんな元気で可愛い姿に癒されていたら、追いかけていた女の子が目の前で転んだ。

 音からして痛そうで、手を差し伸べようと思ったけど、戸惑ってしまった。

 この子を助けることで、帰るのが遅れたら?