消えた未来

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「あ、嘘つき」

 翌朝、学校に行くと、久我君が冷たい声でそんなことを言ってきた。

 その意味がわからなくて、私はその場に固まる。

「お姉さんには頼りたくないんじゃなかったっけ」

 そういえば、そんなふうに言った気がする。

「そうだけど、それは」

 星那がお姉ちゃんに話したからと言ってしまえば済む話なのに、星那のせいにしているような感じがして、続きが言えなかった。

「というか、聞いてたの?」
「聞こえただけ」

 聞かれたくなかったのにと思ったけど、お店の中で話していたら、聞きたくなくても聞こえた部分があったんだろう。

 久我君を責めるようなことは言えない。

「それで、解決はできたの?」

 あんなに興味なさそうにしていたのに、心配してくれていたみたいだ。

 そのことに喜んでいる私がいた。

「うん」
「よかったね」

 優しい声と、柔らかい微笑み。

 私は久我君のその表情から目が離せなかった。

「なに?」

 久我君に不審そうな目を向けられて、慌てて目を逸らす。

「ううん、なんでもない」

 きっと、お姉ちゃんとあんな話をしたせいだ。

 意識してしまって、久我君の顔がまともに見れない。

 特に、笑顔の破壊力が凄まじい。