消えた未来

 そう言うと、お姉ちゃんは私の顔を見て、すぐに丸まってしまった。

「余計なこと、言った」

 そんなにわかりやすく反省されると、可愛く見えてしまう。

「……恋をしたことがないわけじゃないよ。初恋をこじらせて、人を好きになることがわからなくなったって感じ」

 もうあとに引けないと思ったのか、お姉ちゃんはそう言った。

 そう言われると、根掘り葉掘り聞きたくなったけど、今までのお姉ちゃんなら聞いてほしくないと思っているだろうから、聞くに聞けなかった。

 すると、お姉ちゃんは顔を見せてくれた。

「私が恋愛感情を自覚したときには、その人には恋人がいた。行動したくても、できなかったの。だから、真央には少しでもいいなって思う人がいるなら、後悔する前に行動してほしいって思っただけなんだけど……ごめん、余計なお世話だったね」

 しつこく恋愛に結び付けようとしていた理由を知ってしまうと、適当にあしらうことができなくなる。

 それこそ、どうでもいい人の言葉じゃないから、気にしてしまう。

「恋してなかったらダメってわけでもないし、真央のペースもあるのに、本当、ごめんね」

 お姉ちゃんは改めて謝った。

 なんだか、今日は謝られてばかりだ。

「……ううん、心配してくれてありがとう」

 だけど、私に言えるのはそれだけだった。

 そして、私たちはすぐに眠りについた。