消えた未来

 楽しそうなお姉ちゃんに対して、私は高校生にもなってお姉ちゃんと寝るのが恥ずかしくて、お姉ちゃんに背を向けていた。

 すると、お姉ちゃんは私の首に触れた。

 いきなり触られたことに驚いたのと、くすぐったかったのとで、私はお姉ちゃんのほうを見た。

 お姉ちゃんはくすくすと笑っている。

「相変わらず、首は弱いんだね」
「……いたずらしに来たなら、自分の部屋に戻って」
「ごめん、ごめん」

 笑いながら謝られると、許したくなくなる。

 私は顔が隠れるくらいまで、毛布を上げる。

「……ねえ、真央。今日会ったあの金髪の子。やっぱり、ただのクラスメイトじゃないんじゃない?」

 お姉ちゃんがしたかった話は、昼間の続きだったらしい。

 しつこいと思って、答えなかった。

「お母さんたちと向き合うきっかけをくれたって言ってたけど、どうでもいい人からなにか言われても、余計なお世話って思うか、無視するのが普通だと思う。でも、真央は彼に対して、そう思わなかったんでしょ?」

 さすがに二人で布団に入っていると暑くて、毛布から顔を出す。

「……どうでもいいとは思ってない。私は、久我君を尊敬してるから」

 視界に入ったお姉ちゃんは、そういうことじゃないという顔をしている。