消えた未来

 信じられなくても、お姉ちゃんは今日、私が知らないことを話しに来てくれた。

 ここで嘘をつく理由はない。

 だから、いくら信じられなくても、これは真実であって、受け入れるしかない。

「校門前でも少し言ったけど、私は真央が思っているほど完璧じゃない。今通っている大学は合格できるかわからないくらい、ぎりぎりの成績だったし、一人暮らししてわかったけど、家事なんてほとんどできなかった」

 さっきのよりも、こっちの方が信じられない。

 お姉ちゃんが、成績が足りなかった?

 家事ができない?

 そんなわけない。

 私が知っているお姉ちゃんは、勉強ができて頼りになるお姉ちゃんだ。

 いや、これも受け入れるしかないことなんだ。

 お姉ちゃんは運ばれてきたカフェラテを飲む。

 カップを持っている指先が震えているように見えて、お姉ちゃんだってなにかを覚悟して話しているんだと思った。

「それに、私は一人で生活する寂しさに耐えられなかったんだ。だからよく実家に帰ってたし、お母さんを呼びつけてた」

 言われてみれば、一年前はよく週末になると家にいた気がする。

 そうだ、そのころはまだお父さんもお母さんも厳しくなかった。