この人の静かな優しさが、私は好きだった。 好きで好きで、本音が言えなくて苦しくて、それでも失いたくないと思えたのはこの人が優しかったからだ。 忘れたい過去ではなく、幸せだった過去として、この想いは心の奥にしまっておこう。 「うん。こちらこそありがとう……またね」 ***