「あーー、もう」



 春香が誰かに触られてたらと思うと無理だ、嫌なんだ。


 分かってるでしょ春香、僕は我慢が利かない方なんだ。どんなに線引きされたところで、心から拒否されない限り抑えられない。


 時計は23時半をちょうど過ぎた。スマホに連絡はなし。僕は立ち上がりコートを羽織り、そして玄関を目指す。


 今日は春香の言うことは聞いてあげないよ。



「場所、聞いておいて大正解だ」




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