愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜






「――――今話したことが、僕の過去」
「……」



 ベッドの上で、春香を抱き締めながら話して正解だった。
 面と向かって、平常心でこの話をできる自信はない。抱き締めていることで落ち着くことができた。


 この話は、今まで誰にもしたことはない。 
 したところで得られるのは同情で、それは僕が欲しかったものではなかったから。


 けど、僕を受け入れてくれた春香が聞きたいと言うなら、話さないわけにはいかなかった。
 それに、僕自身聞いて欲しいと思ってしまうくらい春香の表情は、真剣でまっすぐだった。