「あの子はどこに行ったんだか」 今朝起きたら、珍しくユキがいなかった。 朝ごはんを食べないのなんて珍しい。まぁ、そのうち帰ってくるとは思うけど……。 「コーヒー飲み終わったら、降り出す前に探しに行こう」 傘も持ってないし、風邪を引いたらかわいそうだ。 そう決心したと同時に、玄関の扉が開いた。 「ただいま」 そこには鼻を真っ赤にしたユキが立っている。……しかもコートを脱いで小脇に抱えて。