巨人が倒れた刹那、地面が大きく揺れる。そしてその亡骸を呆然と眺めていた。

どれほどそうしていたのだろうか。ギルベルトが動き、ポケットから何かを取り出す。それは注射器だった。

「血液を調べようと思ってね。自決する妖なんて見るのは初めてだ。何かあるに違いない」

巨人の血を抜き取り、ギルベルトは言う。イヅナはその場に崩れ落ち、唇を震わせながら亡骸を見ていた。

「イヅナ!!」

「イヅナちゃん!!」

ヴィンセントやレオナード、ギルダが走ってくる。しかし、イヅナは何も言えないまま、ただ亡骸を見ているしかできなかった。

糸はまた、繋がることができなかったのだ。