「お前には、まだまだ巨人を倒してもらいたいからな!」

ユージーンはそう言い、イヅナの元を離れて走っていく。イヅナはゆっくり立ち上がり、巨人を探してまた歩き出す。しばらく歩くと、「こいつしぶとい奴だな!」と苛立ったツヤの声が聞こえてくる。

「ツヤさん?」

声のした方に向かうと、ツヤとギルベルト、そしてレイチェルとキクの四人が必死に巨人に攻撃をしている。その巨人は村を襲っている巨人の中で一番大きく、十メートル近くも体長がある。

体が大きいせいで核の部分に攻撃が届かないらしく、ツヤはかなり苛立っており、レイチェルとキクは焦っている。

「ギルベルトさん、この巨人の核はどこにあるんですか?」

イヅナが訊ねると、ギルベルトは「胃だよ」と答える。イヅナは「えっ……」と呟きながら巨人を見上げる。この巨人の胃のある場所まで、高すぎて届きそうにない。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

巨人は大声を上げ、家を拳で破壊し、逃げ惑う人たちを捕まえようする。そのたびにギルベルトたちが手に攻撃をし、人が喰べられることは防いでいた。