「ウイスキー入ってるとか、めっちゃおしゃれな感じがする……」

レオナードがよだれを垂らし、イヅナが「汚い!」と顔を顰めてギルダが笑う。楽しく夕食を作っていると、家のドアがノックされた。

「出てきてもらっていい?今手が離せなくて……」

「わかりました。見てきますね」

キッチンから離れられないギルダの代わりにイヅナがドアを開ける。そして、目の前にいた人物に驚きを隠せなかった。

「イヅナ、お待ちかねのヴィンセントだよ」

そう言うギルベルトの隣には、ずっと心配していた幼なじみのヴィンセントが立っている。優しい笑みを浮かべ、「心配かけてごめんね」と言われれば、安堵で目の前から涙が落ちていく。

「ヴィンセント、無事でよかった……」

イヅナはヴィンセントに抱き付き、声を上げて泣いた。その声が聞こえたのか、レオナードとギルダも出てくる。そして二人ともヴィンセントの姿に驚いていた。

「話は聞いています。ギルダさん、一晩お世話になります。レオナード、心配かけてごめん。ツヤさんとギルベルトさんに助けてもらったよ」