あやかし戦記 見えない糸

「私の名は、レイチェル・ブーゲンビリア。呪術師で、この山の中にあるムエルト村の村長をしている」

そう女性が言うと、他の呪術師たちも名前を教えてくれた。

「僕はキク・イザヨイと言います」と着物を着た男性が言う。

「俺はユージーン・スリングだ」と軍服を着た男性が言う。

「……イーサ・ヘイヘ」とライフルを持った男性が言う。

「えっと、ギルダ・スプリンガーです。あの、先程は助けていただいて、ありがとうございました!」と助けた女の子が頭を下げる。

「フェイ・ラマナサン」と助けた男の子が不貞腐れたような表情で言う。

女性たちが名を名乗り、イヅナたちも自己紹介を済ませる。そして自己紹介が終わると、レイチェルが「ついて来い」と背を向ける。ヴィンセントたちを解放するため、ムエルト村に案内してくれるようだ。

ムエルト村に向かっている途中、レイチェルたちはムエルト村という地図に載っていない村を作った理由を教えてくれた。

ムエルト村は、差別を受けて故郷を追われた呪術師たちが集まって作られた村であり、外部の人間が入って来られないよう結界が張られていたのだが、最近、結界の効力が薄くなってきたらしい。そのため、外部の人間を捕まえ、二度とこの山に登りたくなくなるような苦痛を与えて解放しているそうだ。