あやかし戦記 見えない糸

アリスの扇形の武器と、ギルベルトの剣が巨人の腕を斬り裂いていく。巨人の腕はもう使い物にならない。

「私が行きます!」

イヅナは薙刀を構え、地面を蹴る。これ以上目の前にいる巨人が苦しまないよう、余計な力を抜き、刀身を向ける。

「ごめんなさい」

小さく呟き、イヅナは巨人の首を斬り落とす。巨人の首が地面に転がり、もう命のない肉体はその場に崩れ落ちる。イヅナはその様子を、心を無にして眺めていた。

「イヅナ、よくやったな」

ツヤが口周りについた巨人の血を拭い、口を開く。レオナードもイヅナに駆け寄り、「あの巨大な首を斬り落とせたなんてすげぇぞ!」と笑って言ってくれた。

ギルベルトやアリスも褒めてくれて、無だったイヅナの心に少しずつ色が戻っていく。その時、イヅナたちに呪術師たちが近付いてきた。

「あの巨人を倒してくれたこと、この二人をを救ってくれたこと、感謝する」

女性が頭を下げ、三人の呪術師もゆっくりと頭を下げた。イヅナたちが助けた二人は、女の子は興味深そうにイヅナたちを見つめ、男の子はイヅナたちを睨んでいる。