あやかし戦記 見えない糸

最初に動いたのは、ツヤたちに怒鳴ったあの男性二人だった。二人が同時に何か呪文を呟くと、黒い影が二人の近くに集まり、大きくなって形になっていく。

「へえ〜……」

「呪術でこんなことまでできるのか」

二人の目の前には、影で作られた妖たちがいる。そして「かかれ!」と男性が命じると、それぞれ鳴き声を上げながらツヤとギルベルトに向かって走っていった。

「久しぶりだね、こんな戦闘は」

ギルベルトが剣を構え、頬を紅潮させる。ツヤは「足引っ張るなよ、クソガキ」と言い、妖たちに向かって走る。

ツヤは長い爪や鋭い牙を使い、殴ったり蹴り上げたりして影でできた妖を倒していく。どうやら、影でできている妖にも核があるようだ。

ギルベルトは片目が義眼、片腕が義手というハンデを感じさせないほど俊敏に動き、妖たちの核を一瞬で見抜いて斬っていく。

十分ほどもしないうちに、影で作られた妖は全員消えてしまっていた。ツヤとギルベルトは息を吐きながら呪術師を睨み付ける。