その声は、日南先輩が発って3日──4時間目の授業が終わった後に届いた。


「サオ!インスタ見た!?」


昼休みが始まったばかり……机や椅子を動かす音、会話するクラスメイトの声がざわざわと広がる中でも、はっきりと聞こえた。

たった今、教室に駆け込んできた──愛良。


「どうしたの?」

「いいから、見て!日南先輩のアカウント!」

「う、うん……」


切羽詰まったように言うから、アプリを起動し日南先輩のアカウントを探す。

周りにいたクラスメイトたちも、なんだろう?とスマホを見始めた。


プロフィール画像すら設定していない「日南」のアカウント。

相変わらず偽物のようなそれの、ゼロだった投稿数が──「10」になっていた。


「え!?」


投稿された10枚の写真は、どれも修学旅行中の写真だった。


クラスメイトや問題児集団と撮った写真──全部に日南先輩が写っている。


友達と戯れている時に見せる無邪気な笑顔、ご飯を食べて美味しそうにしている笑顔、アクティビティ中の爽やかな笑顔。

どれも楽しそう。