悪魔の言葉に聞こえた。

ファッションショーに出すのも見すぼらしいほど出来が悪いとしても、一生懸命作った物。

ずっと雑用だった私が、初めて作った物。


他人に責任を(なす)りつけて、自分は悪くないと正当化し、悪いことにも手を染める。



先輩たちが出て行った後。

教室のゴミ箱の中から帽子の髪飾りを拾った。汚れはついていないけど、一度捨てられた傷は消えない。


その日から先輩たちの私への態度が変わった。

一度正当化してしまえば、どんなことをしても同じように正当化してしまう。


陰口もやがて、本人の耳に届くように言うようになった。