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サりーちゃんへ

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……?なんでしょう、これは……?


次の授業の準備のために教科書を出していたら、机の右隅に文字を見つけた。

シャーペンで書かれたそれは、覚えのないもの。


サリーちゃん……?
そう呼ぶのは、2人──花森先輩と日南先輩。

でも、こんなことをするのは……。


「星野くん。もしかして、日南先輩来てた?」

「うん。ジャージ借りに来た」


……やっぱり。じゃあ、これは日南先輩の文字。

“サ”はカタカナなのに、“り”は1画目が跳ねているせいかひらがなに見える。

なんか可愛い。


ここに座ったのかな。

「サりーちゃんへ」の続きはなんて書こうとしたんだろう。


チャイムが鳴って、先生が入って来て……授業が始まっても。

私が考えるのは日南先輩のことばかり。