「ダメダメ。そういう依頼は受けつけてないの。自分でやって」

「そ、そうですか……」


被服室の前で、2人の女子生徒が何か話していた。


1人はファッション部の先輩。

もう1人は、ボブくらいの長さの髪を編み込んで2つ結びにする──上履きの色が2年生のカラーだから、こちらもたぶん先輩。


ファッション部の先輩が立ち去った後、私は声をかけた。


「どうしたんですか?」

「あ!あなたもファッション部ですか……?」


少しオドオドした感じの女の子。
でも、なんか小動物みたいで可愛らしい雰囲気。


「あの……こういうアクセサリーを作ってほしくて……」


見せられたのは、スマホの画面。

アニメキャラの画像で、ゴシックっぽい服装の女の子が頭に帽子のアクセサリーをつけている。