「うちの学校にサオリって名前の女子いるっけ?」 太陽煌めく青空の下。 澄んだ空気を取り込みながら、口にした。 「サオリ……?いっぱいいるでしょ。……高田サオリ、橋本サオリ……」 「及川もサオリだよな」 同じ2年生の中だけでも3人いる──サオリという名前の女の子。 だけど、どの子も違う。 「違う。上の階だから、1年生か……2年生でも前半クラスだと思う」 ピンク色の髪を揺らしながら、天を仰いだ。 「上の階……?なんの話?」 「こっちの話」 まぁわからないならいいや。