ふと、触れられているような気がして目を開けた。


パチリと目を開けて、私は何度も瞬きを繰り返す。
すぐに状況を理解することができなかったんだ。




至近距離には暁の整った顔、頬に触れているのは熱い手。

それから……唇に触れているのは、彼の唇。


今、私の上には暁が覆いかぶさっていて、キスされてるという状況。



……なにが、あったんだっけ。
思い出そうとすれば、すぐに蘇ってくる記憶。



そうだ、シゴトが無事に終わったんだった。
それで確かホテルの部屋に泊まらせてもらえることになって、私は暁より先にお風呂を使わせてもらってきれいなお風呂に入って……。


髪を乾かしてベッドに寝転んだような気がするけど、そのあとの記憶がない。