『長い間、二人はずっと一緒にいたんでしょ?友達のましろへの溺愛っぷりは話に聞いているし、1回なにかがあったくらいで切れてしまうような(えん)じゃないはず。友達も仲直りしたいって思ってるけど、ましろと同じようにビビって動けてないだけなんだと思うよ。あとはどっちかが勇気を出すだけだ』



ポンと現れたのは紅バラさんの曖昧な予想と、言うは易い(やすい)アドバイス。


書かれていた内容は私でも頭でわかっていることだった。


ただ、それでも。


私たちの仲が第三者から見ても深いものだって言ってもらえるのは大事なことだったらしく、知らない内に入っていた肩の力がだんだんと抜けていく。


それになにより、言葉をくれたのが紅バラさんだったから心強くて……そっと背中を押してもらえた気がした。


『ましろ、頑張って』


紅バラさんは魔法使いみたい。


私に届くのは画面上の文字だけのはずなのに。


私の目に映るのはモノクロじゃない。


赤や黄、橙色。鮮やかで熱い思いたち。


それが私の心まで温めて、力を……勇気を作り出してくれる。


私ならできるって思わせてくれるの。