わがままシュガー



病院の一室、静かな個室のその空間には、機械に繋がれた一人の女の子が眠っていた。

痩せこけて、たくさんの管で繋がれている体。

微かに佐藤と似ている顔立ち、穏やかな表情。



この子が、本当の『蜜』ちゃん。



「はじめ、まして」



決して返事の返ってこないその子に、私はそれでも話しかけていた。



「和香っていいます。氷の……蜜ちゃんのお兄さんの、今の友達で……」



話しながらも、なぜだろうか、目が潤んできてしまう。

微かにぼやける視界の端で、佐藤が……氷が、私の肩に手を回して宥めてくれる。



今日、佐藤は女装をしていない。

すっきりとしていて、いつもとは別人のような男の姿で、蜜ちゃんの病室へと連れて来てくれた。

彼女を見て、こんな……涙が出るなんて、思ってもいなかったんだけど、なぁ。



「蜜、今は俺の友達で、蜜の友達になってほしいと思ってる子だよ。早く仲良くなって欲しいな」

「……っ」

「我慢しなくていいよ、和香。蜜の姿、初めて見たんだから、仕方がない」

「ごめ……っ」



この子とは初めて会ったのに、そんな気がしない。

佐藤に雰囲気が似ているからだろうか。