そんな苦しい素振りなんて欠片も見せないで、ようやく話してくれたと思ったら『自分は男だ』という、この話の規模からしたらそんなどうでもいいことだけ。
……いや、それもかなり衝撃的だったから、どうでもいいって言うのもなんだけど。
「佐藤の方から苦しみに行ってる状況なら、私は佐藤を許さないよ。佐藤は私の友達……でしょう?今は、まだ、うん、それで、だから……」
友達……というには近付き過ぎたように感じるから、少しどもってしまう。
けれど理事長の前だし、ここの関係性のところは一旦端に置いといて。
「助かる気のない人に手を貸すほど私は優しくない。佐藤の方から這い上がって来てよ」
「……和香」
「そしたら、こっちだって安心して、丸ごと受け止められるから」
私は佐藤に向かって両手を広げる。
来るなら来い、ただし自分からその状況を脱する決意がなければ私は受け止められないし、助けにもなってあげない。
何を助けられるかなんて、こんな面倒くさがりの私になんてわからないし、こんなちっぽけな女一人に出来ることなんてたかが知れてるかもしれない。



