でも佐藤は今まで、二年間も男だったということを隠していたし……そもそも隠していた理由すら、嘘ならば。
優しくて気遣いやなはずのアンタの嘘は、『男だということを隠している』だけの理由では、留まらないんじゃないの……?
隠し切りたいなら、なぜ私に打ち明けたの?
理事長に言われて女装をしているわけじゃないのなら、それは佐藤の意思でしていることなんでしょう……?
「わけ、わからなくなってきた」
佐藤がわからない。
掴んでいるその腕に、額を当てて俯く。
好きだなんて……自覚、したばかりなのに、酷く不安で、心が苦しい。
「ひょう」
理事長の呟きに、佐藤の肩が大きくビクついた。
なんだ?なんで反応した?と思って顔を上げれば、先程より焦っている佐藤の顔が映る。
……そういえば、さっきから、ひょ、ひょって、理事長が会話の中で漏らしていたけれど。
理事長に顔を向ければ、佐藤に向かってにこやかな笑みを見せている。
「大事な子なんだろう?見ていればわかる」
落ち着いた響きに、パニックに陥っていた心が少しだけ落ち着きを取り戻す。
大事な子……とは、私?
理事長にはそう、見えているの?



