佐藤が、変わった?
私が、変わったの……?
変わることは怖かったはずだ。
それなのに、それなのに今は……怖いどころか、期待をしてしまっている自分に嫌でも気付かされてしまう。
腕だけじゃ、足りな……いや違う、おかしい、でももっと。
もっと、佐藤に近付いてほしい私は……おかしい?
「怠惰だったはずの和香ちゃんの、欲との葛藤」
「……!」
「きっとこんな姿、誰も知らない、よな?」
「……うるさい」
「もっと欲しがって」
腕から上がってきた指先が、頬を撫でる。
目の端に溜まった涙を拭うと、満足気にまた笑う。
だめだ、流されてしまいそう。
けれど、だめ、なの?本当に?なぜだめなの?
わからなくなってくる。
酔ってる、から、だ。
「素直になれない、そんな和香も可愛いよ」
唇に触れる親指に、きゅっと唇に力を入れて侵入を拒む。
「和香が堕ちてくれるなら、俺はこの先ずっと離さない」
口が、開けない。
その親指が侵入してこようとしているから。
言葉が、返せない。
上唇を、そのネイルを纏った指先で弾かれると、直後、鼻をきゅっとつままれた。
──呼吸、が。
「アルコールのせい、だもんね」



