友達なのに、そこにはいつも通りの友達がいたはずなのに、急にモードを変えて男になる。
手のひらの上で転がされていることくらい、わかっているけれど、変に突っぱねることもできなくて。
つつ……っと手首の内側を撫でる指先の感覚に、ピクッと肩が反応する。
手首……手首なのに、なにも変なこと、されているわけでもないのに。
「和香、アルコール回ってきて赤くなってきてる?それとも俺のせい?」
「……アルコールだし」
「残念」
袖を捲られ、肘まで露出させられる。
その内側を親指できゅっと、血管の上を軽く締められる。
痛みなんてない、けれど、なんだか注射を打つ時のあの感じを思い出して、眉間に皺が寄る。
「和香の血管、いつもより開いてる」
「どこ見てんの気持ち悪い」
「ふふっ、俺酔ってるかも」
上体を起こして机に乗り上げる佐藤の頭がその肘裏に被さると、皮膚の弱いその部分をちゅ……っと、吸い上げた。
まさか吸い上げられるなんて思ってもいなかった私は腕から佐藤の頭を引き剥がそうとするけれど、今度はそこをペロリと舐められて力が抜けてしまう。
「なにしてんだ変態っ」
「やーばぁい、腕一本でヤバい」
「なに、が」



